コーヒーの歴史

世界のコーヒーと日本のコーヒー

◇コーヒー発見の伝説◇

 アラビアのイスラム僧侶が、領主の誤解によって町を追放され、イエメンのオーザブ山に逃げ込み、山中をさまよい、食べ物がなく飢えていたとき、一羽の鳥が赤い木の実を食べているを見つけた。僧侶は、その赤い実を口にしたところ、飢えがいやされ、疲れきっていた体から疲労が消え、気分が爽快になった。
 一方、領主の町では病気が猛威をふるい、人々を苦しめていた。そこで僧侶に助けを求めた。僧侶は町の人々のために祈りをささげ、自分の身体に力を与えてくれた赤い実を煮て、煮汁を人々に与えた。すると、多くの人々が病から回復した。人々救われ町はよみがえったという。

 エチオピアでは、6世紀頃に赤い実を食べたヤギが興奮して飛び跳ねるのをヤギ飼いの少年が気付き、自分も食べたことがコーヒーの発見の始まりとする伝説もある。
世界のコーヒーの歴史
13世紀 アラビアを中心にイスラム圏で秘薬として飲用される
15世紀頃 イエメン地方でコーヒーノキが栽培されはじめる
1505年 アラブ人によりイエメンからセイロンへコーヒーノキが伝播
1517年 トルコのセリーム1世がイスタンブールに紹介する
1554年 イスタンブールに世界初のコーヒーハウス「カーヴェハーネ」が開店
1602年 ローマに伝わる
1645年 ベネチアにヨーロッパ初のコーヒーハウス開店
1668年 北アメリカに伝わる
1671年 マルセイユにフランス初のコーヒーハウス開店
1683年 ウィーンにコーヒーハウス開店
1695年 イスラム教巡礼者がコーヒー豆をインドに伝える
1699年 コーヒーノキがインドからジャワ島へ伝わる
1706年 コーヒーノキがジャワ島からアムステルダムへ渡る
1723年 アムステルダムからフランスパリに寄贈されたコーヒーノキが、アメリカ新大陸へ渡る
1899年 加藤サトリ氏がインスタントコーヒーを発明
1962年 第一次国際コーヒー協会(ICA)成立
日本の珈琲の歴史
1641年 和蘭商館が平戸から出島へ移り、オランダ人が出島にコーヒーを持ち込む
1724年 オランダ人による西洋のテーブルマナー講義をまとめた「和蘭問答」の中で、コーヒーと思われる記述がある
1804年 日本時とし初めてコーヒーを飲んだ太田蜀山人は「コーヒーは焦げ臭くてあじわうにたえない」と書いている
1826年 医師シードルトは、コーヒー長寿をもたらす良薬であると「薬品応手録」でコーヒーをすすめた
1858年 日米修好通商条約条約締結、コーヒーが輸入できるようになる
1869年 横浜で発行された邦字新聞に初めてコーヒーの広告が掲載される
1888年 東京下谷で初めてヨーロッパ風カフェ「可否茶館」が開店したが4年後に閉店
1910年 横浜に小売と喫茶をかねた不二家洋菓子店が開業
1911年 東京銀座に洋画家松山省三の「カフェ・プランタン、水野龍の「カフェ・パウリスタ」が開店
1912年 「カフェ・パウリスタ」が各地に喫茶店を開店
1938年 戦時体制強化で輸入規制、コーヒーの輸入量は前年の半分に
1945年 コーヒー豆不足が5年後の輸入再開まで続き、コーヒーは貴重品に
1950年 8年ぶりにコーヒーの輸入再開
1956年 インスタントコーヒーが初めて輸入許可、国産エスプレッソマシンが登場
1960年 コーヒー生豆の輸入が全面自由化。国内メーカーがインスタントコーヒ製造を開始
1961年 インスタントコーヒーの輸入が完全自由化。インスタントコーヒーブームガスタート
1969年 日本コーヒー振興協会「飲むんだったらコーヒー」のキャッチフレーズで全国的キャンペーン展開。出荷1万トンを超えた。
1970年 レギュラーコーヒー400g以上の大型缶も輸入自由化
1971年 インスタントコーヒーの年間消費量が1万2000トンを突破。家庭用レギュラーコーヒーの消費量も増加傾向に
1980年 全日本コーヒー協会が任意団体から社団法人化され、農林水産大臣の認可を受けた
1983年 10月1日コーヒーの日がスタート
1991年 全日本コーヒー公正取引協議会発足
2002年 コーヒー豆の年間輸入量が40万トンを突破
世界第3位のコーヒ輸入国に